2006年08月31日

ホテルニューオータニ・千羽鶴

久しぶりのレストラン報告である。なぜか口調が自動的に「ですます」調から「である」調に変わるのが自分でも不思議だ。

昨日、昼飯を食いにダウンタウンのリトルトーキョー地区にあるホテルニューオータニのレストラン千羽鶴(Thousand Cranes)に行ってきた。メニューからSeasonal Tenshin Lunchというのを選んで季節の味を頂こうという寸法だ。ここは以前に純和風の朝食を食べに来て以来たんとご無沙汰だったが、夜はスシバーとテンプラバーもあるわけで、鮮魚と天麩羅もうまいだろうと思ってしまう。

このレストランはホテルの二階の屋上?とでもいうべきところに作った日本庭園(日本風庭園ともいう)を見ながら御飯をいただけるのだが、からっと晴れたロスの青空とじゃぼじゃぼと流れる幅広い滝を冷房のほどよく効いた部屋から優雅に楽しめる。ウェイトレスさんもがんばって和服を着てたりして感じがいい。最近はサービスが悪くなってきたといわれるロスのホテルニューオータニだが、レストランはまだまだよさそうだな、と思うのだ。

だが、それも食事が出てくるまでのことだった。

まず出てくるのはメニューの写真の右側にある長い皿に盛り付けられた三点。左はキュウリの上に小さなウナギを綺麗に持ったもの。真ん中は清涼感にあふれるミニそうめん。右はエビのイクラとキウイフルーツソ−ス和えである。

延びたら困るのでまずはそうめんからいただくとする。ちょこっとつまんで持ち上げようとするが・・・アレ?全部ついてきますよ?一口で食えってか?何が言いたいかというと、そうめんがほぐれていない。汁がすでにかかっているのに、である。せっかく人がお上品な気分になって「よーしパパ今日は箸の先っぽは2cm以上よごさないぞー」とか思ってるのにガラスの小鉢の中でそうめんつかんで何度も何度もゆすらないといけないなんて・・・。まずここでちょっと幻滅開始。

またイクラとキウイのソースはまあまあなのだが、エビがなぁんか柔らかい。噛むとグジャっとつぶれるというといいすぎかもしれないが、とにかく新鮮なエビに歯を入れるときのプッチンとした歯ごたえがない。要は新鮮じゃないのだ。夜は天麩羅専門コーナーがあるレストランで新鮮じゃないエビなど存在していいのか?それともこれは昨晩に天麩羅になりそこなったエビなのか?たった一晩でここまで劣化することもないと思うが・・・。

ウナギとキュウリは・・・まあ特に書くことはない。ウナギは一応温かかったし。ちょっとキュウリが多すぎたか?くらい。下に敷いてあるレモンの薄切りが切り立てならもうちょっと風味が出ただろうけど、大量に準備する昼飯定食なのでそこまで要求するのは酷だろう。

次に残りの品が全部でてくる。写真のように天麩羅、煮物、刺身、焼魚、漬物、御飯に味噌汁である。天麩羅だが、やはり昼飯定食なので揚げたてというわけにはいかないのはしょうがない。だが、あわせてある大根おろしが乾燥し始めているのはどうかと思う。また、キスの天麩羅は塩で食べたいと思うのはわがままなのかな。

煮物はオクラとがんもどきみたいなのだったが、これだけはおいしかった。なぜあんかけ風なのかと思ったが、オクラのとろりんが目立たなくするためかな?

刺身はマグロで、別にほめる点はないマグロ。もっといいマグロはいくらでもあるだろうが、やはり昼飯定食なので(以下略)。だが、またもや、ワサビが乾燥している。$20以上払うんだから練りワサビじゃなくて本ワサビ出して欲しい・・・とか言う以前の問題。

焼魚も焼きすぎだし、冷めている。焼きたてだと噛んだときにジュウッと温かくて香ばしい汁が口の中に広がるわけだが、この焼魚は汁?ナンデスカソレ?っていってた。付け合せの焼いたミニトマトがかわいらしく微甘でおいしかったが、これも温かいほうがうまいわけで。

漬物も味噌汁もほめるような点はない。漬物はコンビニ弁当のすみっこにありそうなありきたりなキュウリとたくあん。味噌汁もダシが香るわけでもキラリと光る実があるわけでもない。

だが、最悪なのは米だった。べちゃっとしているのだ。私は御飯は粒が立って光っているのが好みなので、したがって一粒一粒が識別できるが充分柔らかい、というのをよしとしている。いや、それはちょっと固すぎだ、もう少し柔らかい方がいい、という人たちもいるし、それはかまわないのだが、御飯ひとかたまりが一体となって糊状化しかけているのはさすがにやばいんじゃないだろうか。

もちろん、御飯を椀によそったときに底の方にかたまりがあったため、それを見逃してしまったというならしょうがないと思うが、この場合は飯茶碗のふたを開けたら正面中央に鎮座ましましているんだから言い逃れはできん。

でもね。
一番いやだったのはね。
熱いお茶を頼んだら出てきた湯飲みのね。
飲み口周辺にね。
なんかガビガビした小さい汚れがいっぱいついてたことなの。
前の人の口についてた汚れがこびりついて乾燥したのが皿洗い機で洗いきれてなかったのね。
それに口を付けてお茶飲めって言われてもね。

ちょっとね。
posted by 素破斎 at 06:39| ロサンゼルス 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

わかさんち

妻の仕事仲間の日本人の紹介で「わかさんち」という日本料理店にいってきた。久しぶりのレストラン記事になる。一回行っただけで記事にすることもないだろうとまじめに記憶してなかったのでうろ覚えな部分もあるがそれでも記事にしたかった。おいしかったのだ。

ネットで調べても名前がのっていないという店なのだが、ようするにそこまで客を引く気がない・必要がないのだと思われる。これは店の前のメニュー代わりの但し書きにもあらわれている。そこには要約すると、

「当店ではおまかせ一式しかやっておりません。あれが欲しいとかこれはイヤとかいっても知りません。」

とある。日本人の多くはそりゃおまかせってそんなもんじゃないか、と思うかもしれないが、これは米国ではかなりの横紙破りなスタイルなのだ。なんせファーストフードのハンバーガーでさえアメリカ人はあれやこれやと注文をつける。

育ちよさそうなおばさんとかも「レタス多めで、ピクルス抜きで、マスタード控え気味にしてね。あ、あとマヨネーズ入れてちょうだい。」などとグダグダと「わがまま」をいうのである。といっても、実際はこれくらい普通なので特にこのおばさんがわがままなわけではない。

だから、日本料理屋で定食、とか鮨屋で盛り合わせとか頼む場合でも、やはりあれこれとワガママをいってくる。定食の付け合せのキンピラのかわりにキュウリとわかめの酢の物にしてくれとか、握りの盛り合わせのハマチの代わりにサーモンにしてくれとか。それが普通であり、それを嫌う店は「No substitutions(代替品不可)」とわざわざメニューなり壁なりに表示するくらいワガママは当たり前である。

わかさんちは最初っからおまかせしかやっていないようだ。個人主義万歳、俺は俺でお前はお前、なアメリカでこれをやると自動的に客が何パーセントか減るわけで、それなりの覚悟がいるはずだ。

だが、ここのものを食べるとすぐ納得がいく。とにかくうまいのである。付出、刺身、焼き物、煮物、茶碗蒸し、など一見よくある日本の家庭料理程度のものが小鉢や小皿で順番に出てくるだけなのだが、どれもなんかしらキラッと光るあじなのだ。

付出の野菜はしゃっきりとしっとりがほほえましい強さのダシで支えられている。タイ・マグロ・カンパチの刺身はそれぞれ新鮮だ。焼き物は鯖の塩焼きで、ロサンゼルスなら鯖の塩焼きなどはいくらでも手に入るのだが、ここの塩鯖はトロ部なのにもかかわらず解凍時の臭みなどまったくない。煮物の蓮根は味がしみているが煮すぎてシャッキリがなくなっているわけではない。茶碗蒸しは少し柔らかめだったのだがこれで出しがより生きたと思う。

気合入れて記憶してこなかったため報告はこれくらいになるが、ロサンゼルスでジャパニーズ・レストランというと七割がたSushi、あと二割はTeriyaki Chickenの店になってしまうところで、まじめな割烹料理はあるだけで貴重なのに、ここはおいしいのだから申し分ない。

今回は数人でわいわいがやがやわはははといいながらだったが、次回はじっくりと食事をいただいてみよう。今気がついたが飯と汁に拝謁してないのでそこらへんも忘れないようにしよう。
posted by 素破斎 at 07:31| ロサンゼルス 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月21日

Little Hong Kong Cafe

ロサンゼルスにはリトル・トーキョーなる日本人街がある。これはダウンタウンの高層ビル街の外れにあり、もとは日本領事館がそこらへんにあったために日本料理店などが出来ていったらしい。今もニューオータニやミヤコといったサービスのよい日系ホテルがあるし、日本料理店も多い。

だが、すぐそばが倉庫街とホームレスシェルターなため、はっきりいってボロいし汚いし、領事館も高層ビル街の中心部に移ってしまったりで日本人はだんだん減りつつある。日本人の多くは今はトヨタやホンダといった大手日系企業を擁するトーランス・ガーデナの町に移ってしまっている。日本食も日系スーパーもそちらの方がずっと多い。

だが、その間にウェストLAが第二のリトルトーキョーになりかけていた時が少しあった。その結果ちょっとした日系店の固まっているところがウェストLAのソーテル通りにある。スーパー、本屋、鮨屋、ラーメン屋、居酒屋にカラオケなど、といつものラインナップなのだ。

そこは日本人と中国人、特に若者が多く集まる場所で、そこにLittle Hong Kong Cafe・リトル香港カフェという中華料理屋がある。日本風のいわゆる「中華」が欲しい場合はその二つ隣の『金ちゃん飯店』にいけばラーメン、餃子、チャーハンにレバニラ定食が食えるのだが、もっと本格的な中華料理が欲しい場合はリトル香港が絶対お勧めだ。

もちろん、ロスにはチャイナタウンもあるし、中国人の多くが住んでいるアルハンブラ・モントレーパーク付近にいけば限りなく本場に近い味があるのだが、チャイナタウンはロス中心部、アルハンブラ一帯はそのさらに東。町の西側に住む僕には気軽には行きにくい。そのため、西側でまともな中華を探し続けたのだが、どうやらここに落ち着きそうだ。

ここでは普通にワンタンメンがあるのだが、このスープはすっきりあっさりしていて、大変おいしい。中のワンタンも中身がさっぱりした小さめの肉団子っぽく、普通のワンタンよりは大きいが餃子ほどでかくもっさりはしていない。まさにバッチグー。麺も本格的中華料理屋でよく見る細くて黄色い麺で、茹で具合もちゃんとコシを出してくれていて最高だった。(次いったらどうなるかはまだわからないが。)

まだそれほど通っていないので、データはこれから本格的にとることになるが、ウェストLAの数多くのマズー中華に泣かされてきた僕はちょっと期待しているのである。
posted by 素破斎 at 10:20| ロサンゼルス ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月10日

スンドブ

僕の仕事場はいわゆるコリアタウンなる韓国人街のすぐそばである。そこにあるソーコンドー(So Kong Dong)というスンドブ(Soondobu)屋さんで昼飯を食らってきた。

Soondobuとは香辛料で真っ赤になっている辛い辛い鍋料理で、メインの具が豆腐なものである。日本では韓国料理といえば9割9分焼肉屋さんだったと思うが、ロサンゼルスではそうでもなく、このスンドブ屋というのが結構ある。もちろん焼肉屋もあるし、なんでもあります食堂みたいなのもある。

メニューには牛肉、豚肉、キムチ、シーフード、ミックスなどと連ねてあるがどれもこれもスンドブの具の話で、出てくるものは見た目は一緒になる。他にもマッシュルーム、牛の内臓(仔袋だけな気がしたがちょっと不明)、餃子なども選べる。あと、こっそり番外編としてプルコギ定食、豚プルコギ定食、サラダにカニキムチなどもある。冷たい麦茶のようなものが出てくるので(何茶なんだろう・・・)とりあえずマッシュルーム牛肉スンドブを注文する。

ほどなく、小皿がいっぱいでてくる。サイドディッシュちゅうやつのようで、前菜代わりにつまんでいていいようである。いつ行っても同じ物が出てくるので日替わりでくるくる変更というわけでは毛頭ない。内訳はこうである。

・なんかすっぱい冷スープ
・白菜のキムチ
・キュウリのキムチ
・カニのキムチ
・もやしの和え物
・揚げとたまねぎと赤ピーマンの炒め物
・生卵一個

ちなみに生卵は前菜ではない。

スープといっても冷たくてうっすらとピンク色な謎の液体である。キムチの汁を冷水で薄めたとしか思えないものなのだが、腹が減っているしまずいものではないのでスプーンで上品に頂いてみる。スッキリ。

韓国料理店のキムチは全体的にそうなのだが、白菜のキムチは日本で食うものやこちらのスーパーで売っている瓶詰めよりも色も味も風味も強い。赤い色が強いわりには辛さは強くないが、なにか風味とコクのある味がする。キュウリのキムチはいわゆるオイキムチだが薄切りである。モヤシは別段ナムルというわけでもなく、ただのぼやーっとしたモヤシサラダである。

カニのキムチは実は生のカニを漬けたものなのだが、殻つきなのではっきり言って食いにくい。なんせ殻ごと噛み付いて必要なだけ噛み砕きながら前歯で蟹肉を引きずり出して食わないといけないので、なかなか大変である・・・というか散らかりまくり。腹の部分はまだ殻が柔らかいのでやさしく噛めばいいのだが足部だったりすると口の中も殻の破片だらけなのだ。じゃあ、韓国人の方たちはどうやっているのかと気になってこっそり見ようとはいつも努めるのだが(客はいつも9割がた韓国人である)見た目にはかぶりついて、残った殻を出しているようにしか見えない。うーむ。キムチってあるので色は赤いが、あまり辛くない上にかすかに甘い。何故甘いのかは不明。

そこらへんで、御飯がでてくる。石焼ビビンバに使う石の釜の小さな一人用サイズで炊いた御飯であり、てっぺんにグリーンピースが数粒ころころとすわっている。それをウェイトレスのおばさんがしゃもじでくるくるっと一回で外して金属製の薄い銀色の茶碗にもってくれる。そして飯粒がこびりついた釜には水を注いでほぼいっぱいにして去っていく。

まだメインの鍋が来てないので御飯に積極的に手をつけてはいけない気がしてしまうので、キムチを食いながら控えめに御飯をつつく。つつくといっても、この時点でスプーンと箸とが出されているのだが、米はスプーンで頂くのが正しいらしいので、飯をすくおうとするとくるくると逃げ回る金属茶碗を左手で押さえながらちょっとだけ御飯もいただく。自分の場合はだいたいここらへんでもう冷スープがなくなりかけているのだが、いつも「スープ先に〆ちゃってよかったのかなぁ・・・マナー違反とかじゃないといいなぁ・・・」と思う。思うのだが、たいがい次に来るスンドブのせいで忘れてしまう。

そしていよいよメインイベント開始!スンドブの到着である。同じく一人用石釜に入っているのは真っ赤な煮えたぎるスープである。文字通りグラグラと煮えており、危険っぽい雰囲気満点である。ここに生卵を割って放り込み、箸でちょっとだけかき混ぜてみたりする。そして鍋が冷めるのをまちつつゆっくり頂くのである。

一回食えばわかるが、この鍋にたくさん入っている豆腐という物質は熱を持つ。ゆえに、表面が冷めたからといってうかつにカカッと口に放り込むとエライことになる。一瞬の油断が命取り。どんだけ腹が減っていても豆腐はなるべく薄くすくうようにしないといけない。

シーフード味の場合はエビ、カキ、魚などが入ってるのだが、エビはちっこいのを殻ごと放り込んである。これも手が汚れる元なんだがまあしょうがない。体の部分は殻をむいて食べ、頭は噛み付いて汁を吸うくらいにしておく。負けずに小さいカキは完全に火が入りきって縮み上がっており、ちょっともったいない気もするがしょうがない。この鍋の身と汁を御飯にかけて食っている人を見た気がするが、自分はいまだに別々に食っている。

今日はキノコ牛肉味を頼んだのだが、やはりいつものようにシーフードかミックスにすればよかったと思う。牛肉はまずくないのだが、やはりそれだけでは物足りない。やはり店の者がキノコを完全に忘れてしまったからなのは間違いない。ちくしょう!かといって今から作り直されても昼休みが終わってしまう。まあいい。真っ赤なスープと豆腐はまったく問題なくおいしいのだが、やはりシーフード系のダシが出ている方が自分は好きである。

とまあそんな塩梅である。おっと、一つ忘れてた。ごはんを食べ終わったあと、飯の石釜の中にはかすかにおこげの香りのする薄いおかゆのようなおもゆのようなものができている。最後に熱く辛くなった口の中をこれでさっぱりさせながら飯を終える。


やはり飯のブログは写真がないとさみしいね。デジカメもってなくてごめんね。ごめんね。

posted by 素破斎 at 11:00| ロサンゼルス ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月25日

アンティカ・ピッツェリアA

前置きが長いと本文が短いのはお約束である。

さて、実はこの店のサイトがhttp://www.anticapizzeria.net/index.htmlにあったりするので、メニューはそこから見ていただければよいのだが、アンティパスト(前菜)、サラダ、スープ、パスタ、ピザ、リゾット、メインディッシュなどが普通に並んでいる。一応サラダセットとサンドイッチの項目があるのはまあアメリカ人向けのランチ定食メニューということでそれもまたよいだろう。おもしろいのはLE COSE SFIZIOSE、something deliciousの部分であるが、上から順番に食った覚えのあるものの印象でもだらだらと羅列してみる。

【前菜】
Carpaccio di Bue:牛肉のカルパッチョ
ご存知のとおり牛刺しのサラダ風のようなもの。お上品な前菜でさっぱりしていてよろしい・・・が牛刺しを食うつもりでいるとオリーブ油がべととーんとするのでさっぱりしてない気がするから不思議である。

【サラダ】
Insalata Caprese:カプリ風サラダ
要はモッツァレラチーズとトマトの輪切りにバジリコの葉っぱをはさんで、オリーブ油をかけて食うだけなのだが、素材だけぶつけてくるわけでごまかしがきかない。なんとなく刺身とか懐石料理につながるような、背筋が伸びる料理である。モッツァレラはイタリア産の水牛の乳でつくって水につけたままアメリカに輸入したいわゆる「フレッシュ」モッツァレラであり、白くてさくっと歯ごたえがよい。生のバジリコとの相性はいいし、トマトがもうちょっと熟れてて甘いといいのだが、これはその日その日の当たり外れもあるのかも。

チーズ・バジリコ・トマトの三つを重ねて一口で食らうのもよいが、なんとなく米国の下品なサンドイッチ文化を思い出すのでその後は別々に一個ずつ食べてみたり。両方やるのがほんとは一番いいのじゃないかな。

【ピザ】
Margherita:マルゲリータ
ナポリ風ピザの基本ともいえるマルゲリータはカクテルのマルガリータと似ているが、きっとまったく関係がない。白いモッツァレラチーズ、緑のバジリコ、赤いトマトという構成はシンプルながらイタリア料理な雰囲気をほぼ完全に体現しているといえば大げさに聞こえるが、まあ大げさだからだろう。気がつくとなんのことはない、前出のカプレーゼをのっけたピザにすぎないのだが、実のところたいへんうまいんで困る。

まじめな話、肉をつかわないこのピザは個人的にはその店のおおまかな出来具合を判断する(というとでなんか偉そうでなんだが)のに便利である。白と緑と赤がイタリアの国旗の色と同じなのでイタリア人は別の意味でこのピザが重要であるとかないとか。日の丸弁当みたいなものか?

Quattro Formaggi:チーズ四種
パルメザン、ゴルゴンゾラ、スモークドモッツァレラ、フレッシュモッツァレラの四種類のチーズを使用したもの。ただのチーズピザのクセに贅沢で生意気。ゴルゴンゾラは青かびチーズの一種なので嫌いな人は嫌いかもしれないが、温めた割には比較的香りが控えめでかえって物足りないくらいである。チーズピザの贅沢はマジでうまいのだが、いつもスモークドモッツァレラの風味と味があまり感じられなくてちょっとだけ残念である。

モッツァレラチーズといった場合、米国ででてくるものはほとんどが米国の酪農帝国ウィスコンシン州産の乳牛の乳、それもスキムミルク(脱脂乳)を使うものが普通。少し腰がある歯ごたえ(口の悪い人はゴムのようだなどという)のアメリカンモッツァレラはアメリカンピザのトッピングとしては申し分なく、とろーととけて食べるときに適度にびよよーんと伸びるいいものなのだが、本格イタリア料理店にはやはりなじまないかもなのである。

Quattro Stagioni:四季
四種類のトッピングを無理矢理一枚のピザにのっけたもので、四分の一ずつ楽しもうというもの。お試しセットというか次回に向けた試食用と考えればよいし、見た目も楽しい。前出のマルゲリータのほかにカプリチョーザ、マリナラ、シーフードがのってくる。どれがどの季節とかいう細かい決まりがあるかどうかはしりまへん。マリナラはいわゆる『単なるトマトソース』だが、これもその店の姿勢を表していると思って身構えてもいいでしょう。カプリチョーザはアーティチョーク(チョウセンアザミというが韓国料理ではみたことないなそういえば)と生ハムとオリーブがあるのでなんかいろいろあって「ピザ〜^^」という感じである。シーフードはどんなのか忘れたがイカとエビはあったと思う。ムール貝と貝柱があった気もするが自信がない。たしか伊勢海老、ジンベイザメ、シーラカンスなどはのっていなかったと思う。

【スープ】
Minestrone:ミネストローネ
Zuppa di Pollo:鶏のスープ

ガキのころ「スパゲティはスープのかわりに注文するのが西洋料理のマナーだから覚えとけ」と教わって以来、パスタ好きの僕はイタリア料理でスープを頼むことはなかった。先日ここから出前を頼んだときに(なぜかここは出前もするのだ)出前にマナーもくそもないからいいだろう、ということでこの二つのスープをたのんだのだが、ひとこと。

(><;)塩っからすぎなんです!

夜遅かったのできっと半日あたためているうちに煮詰まってしまったのかなんかしらんけどすごく辛かった。悪い印象しか残ってないわけだが、それを押し殺して味を思い出してみると、ミネストローネはミネストローネにしては比較的あっさりで野菜の味がしていた。スープに再挑戦するならこれであろう。鶏のスープの方はこってりしていたというよりべっとりしており、鶏の脂が出すぎていた感が強かった。これも時間をおきすぎた後によく混ぜないで上のほうだけすくってしまったからかもしれないのだが、もう一度試すにはもう少し時間が欲しい。スーパーのブロイラーの臭い脂の匂いではなかったのが救いではある。

【パスタ】
Spaghetti alla Carbonara:スパゲッティ・カルボナーラ
先日も述べたとおり、カルボナーラは少々俺様のお気に召さなかったのだが、これにはわけがある。数年前のある日、テレビ番組で(ソプラノか?)ニューヨークのマフィアの大物が親戚にカルボナーラの作り方をうれしそうに教えるシーンがあったのだが、そこではゆでたてのスパゲティをとき卵にドドドドーといれてから「これがコツだから覚えとけよ。ゆっくりまぜるんだ。ゆぅっくりな。それだけだ。」といってスパゲティをフォークでくるーり、くるーり、くるーりと混ぜていたのが印象的だった。「えええええそれじゃあ卵がかたまらないじゃーんんん」と思いながらも食べてみたい思いでいっぱいになったわけだ。ところが、これを見ていたのはモンタナ州のヘレナ市という超ウルトラくそド田舎で、町中のどのレストランでもカルボナーラみたいなシャレたものはメニューにない。スーパーで卵を買っても「卵を生で食べるのは危険です」とか書いてある国なので自分の家で作るにもちょっとしり込みする。

そんなこんなで数年間カルボナーラが食べられなかったため、僕の頭の中では勝手に「半生の卵がおいしいカルボナーラ」という勝手な像が出来上がってしまった。そのため、いくらおいしくても生卵の白身のとろりんこがないとなんか納得がいかないのである。

それをさっぴくとここのカルボナーラはうまい。ピザとあわせるにはちょっとクリーミーすぎるきらいがあるが、さっぱりした前菜と合わせる分には申し分ないと思う。

Fettuccine al Salmone:鮭とフェットチーネ
パスタはあとはこれくらいしか味を覚えていない。スパゲティをきしめんの形にしたフェットチーネにサーモンのちっこいかけらが散らばっている白いクリームソースであり、普通に食べられた気がする。もっと「おれ!!サーーモーン!!」と自己主張させてもいい気がするくらいサーモンは静かだった。まあメインディッシュではないのならそれくらい控えめな方が丁度いいのか。

【リゾット】
Risotto alla Milanese:ミラノ風リゾット
Risotto del Bosco:森のリゾット

ミラノ風はパルメザンチーズをぶち込んでサフランで黄色い色をつけただけのもの。森のリゾットは要はキノコいろいろリゾット。どちらもリゾット用のアルボリオという種の米を使っているらしいが、なによりもかによりもあの雑炊が汁をすって膨らんでしまったような歯ごたえはなかなかなじめない。さらに油もすっていてべっとりとしたものになっているため、米粒一個一個がキラキラと立っているのをよしとする日本の米飯になれた頭は切り替えを必要とする。その上、大めの量に均一なリゾットがどかーんとくるので「うっ・・・」という第一印象が生まれてたいへんよくない。ミラノ風は具がないし、森林風もキノコの量は日本の加薬御飯とかに比べるとずっと控えめなため、べととライスがいぱーい、と感じてしまうのだろう。もっと具沢山のやつをこんどは試してみようと思う。

【その他】
じつはこの「その他」のコーナーが僕のお気に入りなのである。他のイタリアレストランにはない、どっちかというとナポリ名物とか家庭料理っぽいのとかの寄せ集めコーナーらしいが、日本人受けする料理が多いのである。

Calamari Fritti:イカのから揚げ
まあ、よくあるイカフライである。これは実は珍しくもなんともなかったりする。マリナラソースにつけて食べるのが楽しいのがアメリカ風なのかイタリア風なのか。まあ、ソースつけないでレモンだけで食べれば充分おいしい。

Insalata di Polipo:タコのサラダ
タコといってもイイダコみたいな親指サイズの小さいタコ。これを蒸したものをしゃっきりレタスにのっけたサラダである。ドレッシングもオリーブ油をかけてレモンを絞っただけで極めてすっきりしたもの。いつもタコ(゚∇゚)ウマーといってるうちにすぐなくなって残念なのだ。さっぱりしているので後述のコロッケやアランチーノとの相性も抜群である。ただこの量でこの値段はナンダカナークヤシイナーといつも思う。

Potato Croquette:ポテトコロッケ
コロッケは実はあれ和製料理じゃないのっていうくらいアメリカでは見ないものである。ありゃあ実はフランスの料理だぜ、と聞いたことはあるがフランス料理のメニューにポテトコロッケがのっているのを見たためしがない。そんなおりにナポリ料理店でみつけたわけだが、これがけっこうでかい。コロッケといえば小判大で厚さ一センチくらいか、もう少し小さくて俵型(かにクリームコロッケにありがちな形)なのが僕の頭の中では普通なのだが、ここのは上から見たら小判大でかつ俵型といえばいいだろうか。握りこぶしより一回り大きいくらいである。

そして具はチーズのみといっているが、このチーズもパルメザンの粉チーズと思うがはるかでかすかに風味がする程度なため、チーズ味の超プレーンコロッケを食べている感じがするのである。ジャガイモ自体も日本のコロッケのぽそぽそとしたちっさい塊はなく、よりマッシュドポテトに近いスムーズなものである。

こう書くとなんかうまくなさそうだが、これが意外とうまいのである。単品でぱくぱくといただけてなんかしらんけどうまい。ただし、半分もたべればコロッケはお腹一杯になるというのも事実である。

Arancino de Riso:米のオレンジ?
アランチーノとは果物のオレンジのことだそうで、これはリゾットをソフトボール大のおにぎりにかためて(中心の具はまたしてもチーズ)軽く揚げた物である。リゾット製揚げおにぎりというわけで、へんちくりんなものに間違いないのだが、これがまたどういうことか知らんけどうまい。リゾットやコロッケ同様、見た目以上にボリュームがあるのですぐにお腹一杯になるのだが、逆にいうと単品で腹いっぱいになれる素敵な料理なのである。

とまあ、イタリア料理についてはよくわかっていない一人の日本人の意見である。サイトにある写真で見るとすごいお上品な内装に見えるが、実際はもちょっと普段着な感覚なので気楽にいけるしデートにも使えるという便利なお店である。
posted by 素破斎 at 12:19| ロサンゼルス ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月23日

アンティカ・ピッツェリア@

比較的初期の移民にイタリア人が多かったのだろうか、イタリア料理はアメリカではそこそこ普及している。特にピザとスパゲッティ・ミートボールはその起源がイタリア料理であることを忘れるほど各家庭に普及している。一方、日本で高級欧風料理といえばまずおフランス料理が筆頭となるが、米国では最高級料理といえばイタリア料理のことを指す場合が多く、フランスはなんとなくナンバー2な感じだ。

と同時に、ピザもスパゲティも起源であるイタリア料理とは大幅に変わってしまっていることも否めないであろう。僕自身はイタリアにいったこともないし本格的なイタリア料理を食って育ったわけでもないので以下はそこらへんを了解して話半分で読んでいただければ幸いである。

日本人は蕎麦だのうどんだのラーメンだのについてぐだぐだうるさい民族だけあって、各種パスタにおいてもゆで加減について比較的厳しい。「アルデンテ」という言葉が一応それなりに浸透しているくらいである。(鹿児島は違うという人もいたが、とりあえずそれはおいといて。)それに対して米国人はヌードル全般のゆで具合に関してかなり無頓着である。だいたい、米国家庭料理、おふくろの味の一品にチキンヌードルスープというものがあるのだが、そのヌードルはお湯でゆでた後スープに放り込んだ小さめ・細めのパスタである。ラーメンよろしく食べる直前にいれるならまだしも、そんなもの一時間も煮込んだらぐじょぐじょのふにゃふにゃになるに決まっているのだが、それでよいのだから子供のころから麺のコシやら固さやらは気にしないで育ってしまっているのであろう。日本人がラーメンの麺の風味に厳しくないようにアメリカ人は麺のゆで具合に厳しくない、といったところ。

スパゲティ筆頭の各種パスタのソースについても、べっとりこってりカロリーたっぷりにしたいらしい。僕の聞いたところでは本来プリマヴェーラはバター、カルボナーラは生卵は使うものの生クリームの出番はないはずなのだが、米国でパスタのプリマヴェーラやらカルボナーラやら頼むと生クリームでこってりとボリュームのあるクリーミーなものが出てくる。うまいんだが、はっきりいって一品で太れる。

また、パスタには必ずなんらかの肉片(主に鶏肉)をあわせたがる。プリマヴェーラやアルフレードならまずチキンがのっかってくるし、アルリモーネやらプタネスカでものっけたがる。イタリア人の元同僚によると、パスタはそんなにごたごたといろいろのっけるものではないらしい。というのは、イタリア料理においてはパスタは食事における主役(メインディッシュ)ではない、ただの引き立て役・脇役だからというのが関係しているらしい。ステーキ食いに行ったら付け合せのサラダに伊勢海老とキャビアとアワビとトンカツがのっていたりはしないし。

そしてパスタに限らず、鶏肉が多い。米国ではチキン・マルサラやらチキン・カチャトーレなどは仔牛のスキャロッピーニと並んで代表的なイタリア料理である。少なくとも僕はそう思っていたのだが、またしても件のイタリア人元同僚のある日の爆弾発言によると、

「レストランでは鶏肉なんて出さないっしょ。」

家庭料理はいざ知らず、ちゃんとしたレストランで出すものではないらしい。あたかも懐石料理にホルモンは出ないかのごとくか。

まあ、アメリカでは豚肉はなじみが薄く、そもそも高級感はない。牛肉は高脂肪高カロリーで心臓病の原因の悪者扱い(狂牛病のことはなぜか誰も気にしていないし話題にもならない)だし、カモやガチョウは高脂肪の上にクセがある。あとは仔牛と仔羊くらいしかないがこの二種類はなんせ高い。というわけで『ヘルシーな肉』という印象でごまかせる鶏肉がゆるぎない地位を享受しているのはしょうがないといえばしょうがないのだが、自分としてはイタリア料理によく見る各種鶏肉料理がすべて非伝統的な米国のでっち上げであったのはショックであった。それにチキンマルサラっておいしいしー。

そしてピザである。米国内は「出前」といえば「ピザのデリバリー」というくらいピザが普及しており、大手全国チェーンだけでもドミノ、ピザハット、他にもリトル・シーザーズ、パパ・ジョンズ、ヌメロ・ウノ、カリフォルニア・ピザ・キッチン等々いくらでもピザ屋はあり、さらにちょっとしたイタリア料理店なら自分のとこでピザを焼くので数限りなく豊富な選択肢がある。

さきほどの元同僚はナポリ出身であり、ナポリにはピザの品質を審査する団体があるらしく、ちゃんとナポリ風のピザを出す店にはお墨付きを下さるんだそうだが、ロスアンゼルスで認定されているのはただ一人の経営者のみだという。この経営者のやっているイタリア料理店二軒のうちの一つが、アンティカ・ピッツェリアなのである。

さて、前置きが長くなったが本題、すなわちこのレストランについて述べよう。

(続く♪)
posted by 素破斎 at 16:44| ロサンゼルス ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月17日

アリゾナ・サボテン

週末は妻の希望でアリゾナ州にあるセドナという町にいってきました。

町自体は観光地・避寒地で自然がウツクシー以外はなんにもとりえがないはずなのですが、近くには「地球の磁力が強い癒しの地:Vortex」があるので(詳細は不明w)訪れる人も多いしハリウッドスターの別荘もいっぱいあったりします。

セドナはLAではないのですが、珍しいものを食ったのでちょろっと報告。そこのCowboy Club(http://cowboyclub.com)というところで晩御飯を食べました。メインディッシュのステーキはまあまあで、また前菜とメインの間に頼まないのに出てきた一口大のレモンシャーベットがさっぱりあっさりしててとてもよかったのですが、やはり目玉は以下の前菜系の二品。

<Cactus FriesとRattlesnake Soup>
(ウェブサイトのメニューにはRattlesnake Brochetteがのってますが僕が行ったときはRattlesnakeはスープしかありませんでした。)

Cactus Friesは「サボテンのフライ」。サボテンといっても西部劇によくある高さ三メートルの『Ψ』みたいな形の奴ではなくて、平たい草履の底みたいなのにとげが生えてるやつです。みずみずしいのでトゲさえ除いてやれば家畜がよろこんで食べるとか。これを小指大に細切りにして衣をつけて揚げてあるものが出てきます。「かすかに酸味のあるキュウリのようで」といわれました。食べてみました。

はっきりいってただのアロエです。

別段まずくはないのです。考えて料理すればおいしくできそうな気がしますし、清涼感を生かしたスッキリしたデザートにも使えそうです。でもフライはどうだかな〜という感じでした。

Rattlesnake Soupは「ガラガラヘビのスープ」で、スパイスの効いた辛いとろとろスープにガラガラヘビのひき肉で作った肉団子が入っているとあります。ヘビ食ってみたーいということで注文。やたら辛いスープに小さい小さい肉団子が二つだけ(!)入ってました。いったいヘビとはどういう味なのか。アメリカ人はヘビでもワニでもガチョウでもアヒルでも「どんな味?」と訊くと「チキンみたいな感じ」といういい加減な返事をするので有名ですが、ガラガラヘビは本当にカシワの味がするのか?食べてみました。

つなぎの小麦粉と卵の味しかわかりませんでした。

ちっこいの二つだけで、あんなに味の濃いスープに入れたらわかんないよ。というわけでガラガラヘビは何がどうなのかよくわかりませんでした。おしまい。
posted by 素破斎 at 07:37| ロサンゼルス ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

LAのSushi Restaurant

さっそくネタも尽きそうなので、ここらへんでまずロスの典型的なSushi Restaurantについて。

Sushi Restarurantは鮨屋とは微妙に違う。鮨屋は主に在米日本人相手に寿司を提供しているのに対し、Sushi Restaurantはアメリカ人相手にSushiを提供していると思ってもらえばよい。店は客あってなんぼ・・・というか、客が満足しなければつぶれるのは万国共通。いきおい、よってくる客が何を求めているか、何を欲しているかによって店の対応が変わってくる。変わらない店はダーウィンの自然淘汰よろしくつぶれていくので、残った店にはそれなりの共通点が見られるのだ。

それを念頭においていただいたならば、以下にロスにおけるアメリカ人が期待する(常識と考える)Sushi Restaurantの概念の説明を試みる。こうでないとアメリカ人客はちょっとご不満、という条件をあげてみよう。

・Sushiのメニューにはマキモノが多数存在する。マキモノといっても鉄火巻、カッパ巻、梅シソ巻といった日本の鮨屋でも見られるようなものは何一つ含まれていない。最低でもカリフォルニアロール程度の複合巻物、普通はそれにさらに手を加えたような「創作」品のことをさす。このアメリカ的巻物だけでかなり話すことがあるのだが、いまはとりあえずマキモノが主である、とだけ述べる。

・逆に握り、刺身等はあまり重要でない。

・Sushiはエキゾチックな異国情緒あふれた料理なので、おしゃれなデートに最適なのだ。もちろん店の内装も「おしゃれ」であって欲しい。無駄にでかい提灯に「御用」とか書いてあるのは評価できる。

・酒はおしゃれにワイン。アメリカ人はワインは食事にあわせて選ぶものだというフランス的感覚はないため、白・赤・シャンペン等すべてそろっていなければない。ステーキを食おうが寿司をくおうが「俺はシャトー・ヌフ・デュ・パープの赤がいいんだ」といわれればそれをおいてない店がいけないのだ。

・酒を飲まない人もいるので、当然コーラ・スプライト・ドクターペッパーといった炭酸飲料を用意しておくのが当たり前である。もちろんレギュラーとダイエット両種。

・スープは順番としては前菜の後、メインディッシュの前、サラダと前後して出してもらうものなので、味噌汁・・・じゃなかった、miso soupはなるべく早く出すのが当然である。最後の方に出すような店はサービスが腐っている。

とまあこれくらいは基本のようである。マキモノ(Roll)についてはまだまだいうことがあるがとりあえずはこれくらいで。


最初からロス全域のスシヤがこうだったとは思わない。思わないが、いまではこれが定着してしまっているし、これから外れるスシヤはアメリカ人客がつきにくい。何も鮨のことを知らないアメリカ人はこういうスシヤでスシを学ぶため、これが当たり前だと思うアメリカ人がさらに増える、という悪循環。

スシに限らず、人種のるつぼのはずのアメリカでは世界各国の料理が食べられるにもかかわらずどの国の料理をとっても本国から来た人間にいわせると「あんなもん食えるかボケ」となる可能性が高い。例外はもちろんたくさんある――日本人しか出入りしていない鮨屋とか中国人しかいない中華料理屋とか――が、アメリカ人でにぎわっているレストランは伝統的であるか、正統であるかという観点からいうと総じてしょぼい。
posted by 素破斎 at 06:58| ロサンゼルス ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

King Taco

ロスはヒスパニック系住民、特に隣のメキシコからの移民がとにかく多い。全米的にみるとそれほどでもないがロスにおいてはヒスパニック系は30%とか40%とか、まあとにかく多い。そのため中米料理店も多く、本格的なものからタコベルのような「なんちゃってメキシコ料理」までさまざまである。

King Tacoは20店舗ほどのチェーン店であるが比較的もとの味を保っていそうな感じの店である。メニューはタコス各$1.15、ブリトー$4から$5などで、まあファーストフードである。が、タコスはタコベルのような油で揚げた硬い殻ではなく、柔らかい円盤型のトルティーヤを皿において肉と野菜とサルサを乗っけただけのもの。タコベルのタコスにつきもののレタスの千切りや細切りチーズはついてこない。野菜といってもたまねぎと香草(Cilantroといってるがコリアンダーともシャンツァイともいうらしい)だけ。サルサは緑色のから〜いやつか赤くてアホみたいにからいやつか選べるが、肉によってデフォルトの色は決まっているらしい。

肉はCarne Asada、Al Pastor、Carnitas、Cabeza、Lengua、Chicken、Buche、Molleha、Suaderoから選べる。

@Carne Asadaは「焼いた肉」の意味?で、なんかにつけといた牛肉を焼いたもの。普通に無難にうまい。
AAl Pastorは豚肉である。Carne AsadaとAl Pastorは赤ソースが乗ってくる。とにかく辛いが、うまい。
Bもう一個の豚肉、Carnitasはもちっとあっさり、落ち着いた感じ。
CCabezaは牛の頬肉を焼いたもの。噛むとギュウニク〜という感じの味がでてくる。
DLenguaは牛タンこま切れの煮込み。サルサなしでも辛いが、うまい。
EChickenはそのままで鶏肉。ここでは食ったことないです。
FBucheはいっぺん頼んだら「ごめん、ウチそれやってないし」といわれたのだが(じゃあメニューにのせとくなよ)豚の内臓らしい。
GMollehaは牛の脂身をちっこく切って焼いたもので、これが実はうまい。
HSuaderoも牛の肉で、煮込みのようであるがどう料理してあるのかよくわからん。

タコ一個一個は小さいので三つから五つくらい頼むわけだが、それでも安く上がるので昼飯ならありがたいのである。円盤の両端をつまんで半分に折って端からかぶりつく。そのため肉は少なめに盛ってくれる方がよい。かぶりついた反対側からぽとぽとと肉やたまねぎをこぼしながら食うのでお上品にはいかないのがちと残念。当然デートにはぜんぜんむいてない。


最初のレストラン報告はあまりグルメなもんではなく、庶民的なメキシカン・ファーストフードになったが、ロスだからそれもよいかな。
posted by 素破斎 at 06:41| ロサンゼルス ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | LAのレストラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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